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日本文化の粋な遊び心! 新進気鋭の美術家が地蔵とカラーコーンを融合した理由とは?

July 1, 2016

 2020年にオリンピックを控え、都内各所で既に大規模な工事が始まっている。注目を集めている競技場の建設はもちろん、道路など交通インフラの整備も今後ますます加速していくことになるだろう。こうした道路工事の現場に無くてはならないのが円錐のカラーコーンだ。そんな現場のアイテムに、和テイストのデザインが登場し、注目を集めていることをご存知だろうか?

 それが、長谷川維雄さんが制作した「地蔵コーン」だ。長谷川さんは1988年国分寺生まれ。古事記の国生みをモチーフに一円玉を水面に浮かべて日本列島を作った「夏の神話 POOL JAPAN」や金太郎飴の技法を利用した大型の絵画シリーズの作品で知られる美術家だ。

 そんな長谷川さんが手がけた地蔵コーンは、その名の通りカラーコーンと地蔵を組み合わせた作品。道祖神信仰と習合した日本の地蔵とカラーコーンの間に「道路守るもの」という共通点を見出した事がこの作品が誕生するきっかけとなったのだとか。

 制作にあたっては、「かわいさに媚びすぎず、怖すぎず、丁度いい」表情をつくるなど造形面はもちろん、野外での耐久性やコストなどについても気を使ったのだとか。長谷川さんは地蔵コーンについて次のように語ってくれた。

「地蔵コーンを広げることが作品コンセプトなんです。もっと普通の都市風景の中で使われて、こんなところに地蔵が! みたいな驚きがあったらいい。日本のカラーコーンにはときどき地蔵が隠れているらしい...という認知を世界に広げ、日本の都市空間全体をおもしろくすることが目標なんです。作者はいたって真面目にやっています。現在27歳。21世紀の偉大な美術家になります」(美術家・長谷川維雄さん)

 一般的に彫刻に使われる素材である石やステンレスといった美しさを保つ強い素材ではなくポリプロピレンを選んだのは、街と同じスピードで風化させることを狙ったから。

「山道にある簡素な石仏のように、地蔵コーンが都市の風景を味わい深く見せてくれれば良い」と語る長谷川さんは、美術家であると同時に新時代の仏師と呼ぶべき存在なのかもしれない。なお地蔵コーンは、一体8000円で受注販売中。詳細は公式サイトにて。

■長谷川維雄公式サイト
http://www.fusaohasegawa.com/