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コンセプトは「地図×年表」? 1600年分の災害データを入力したWeb日本地図

November 14, 2016

 古来から人間は様々な天災と戦ってきた。その記憶は、堤防や防風林など直接的に我々を災害から守ってくれる存在以外では、石碑、古文書、地名といった伝承という形で現代に引き継がれている。とは言え、住民の入れ替わりによって古くからの言い伝えが忘れ去られたり、あるいは「イメージが良くない」と言う理由で災害を予感させる地名が改められたりといったケースは少なくない。ある意味で科学技術の発達がもたらした慢心とも言えるだろう。そんな状況に科学技術の力を使って対抗するプロジェクトが存在することをご存知だろうか?

 国立研究開発法人防災科学技術研究所(NIED)が開発した「災害年表マップ」は、過去の災害史を地図上で見ることが出来るウェブアプリケーションだ。情報の引用元である「災害事例データベース」は、日本全国で発生した過去の災害事例を全国一律に俯瞰できるようにしたデータベース。古くは「日本書紀」に記載された416年の地震記録から現在まで1600年間の災害記録を日本全国の市区町村が発行する地域防災計画からピックアップ。2009年以来、なんと5万3000件の災害を人力で入力してきたというから驚きだ。

■コンセプトは「地図×年表」~使い道は防災以外にも?

 災害年表マップのコンセプトは「地図×年表」だという。時間と場所を簡単に選べるWeb地図上で、その年、その場所で起きた地震と火山噴火など、異なる種類の災害を同時に見ることができる。例えば、関東大震災が発生した1923年をみると、年始から全国的に風水害が発生し、東北と九州では火山の活動があったことがわかる。歴史好きの皆さんであれば、重大な事件が起きた年にどのような天災が発生していたか、そして事件にどのような影響を及ぼしたかなどについて思いを巡らせてみても楽しいかもしれない。防災科学技術研究所の皆さんは災害年表マップについて次のようなコメントを寄せてくれた。

「自治体や地域の防災を担う方をはじめ、住んでいる地域や旅行先や興味がある場所などの過去の災害事例を手軽に見ていただき、地域が持つ災害経験にまずは気づくきっかけとなることを期待しています。自然災害をきっかけに歴史が変わることがあります。旅へ行く前に、ちょっと一息つくとき、大河ドラマを見ているときなど、ぜひ眺めていただき、自分の今いる場所や興味のある場所の災害経験を知り、災害が他人事ではなく、今後起こりうることとして備えるきっかけとなれば幸いです。」ー鈴木比奈子さん/内山庄一郎さん/臼田裕一郎さん(防災科学技術研究所 社会防災システム研究部門 )

 現在のところパソコンのみで閲覧可能な災害年表マップだが、今後はスマートフォンやタブレットにも対応していく予定。災害の詳細な情報がわかる「災害事例カルテ」の作成、災害発生地点の表示スタイル向上など、UIの改善を続けていくとのことだ。防災に役立つと言うだけでなく、様々な使い方、楽しみ方がありそうなマップゆえ、まずはブックマークしてみてはいかがだろうか。

■災害年表マップ
http://dil-db.bosai.go.jp/saigai/

■災害年表マップの使い方|防災科学技術研究所 - 自然災害情報室http://dil.bosai.go.jp/dedb/saigai.html