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NECが創薬事業に本格参入! AI技術で発見したガン治療薬の実用化へ

January 31, 2017

 近年、生命科学の発展にともない、人の免疫メカニズムの解明が進み、免疫を利用した新たながんの治療法が実現されつつある。また、免疫機能を利用した治療法のひとつとして、がんを攻撃する免疫を活性化するがん治療用ペプチドワクチンの研究が進んでいるのも現状だ。

 ところが、がん治療用ペプチドワクチンの開発・実用化には、5000億通りものアミノ酸配列の中から免疫を活性化するペプチドを発見する必要があり、さらには人それぞれに異なる白血球に対して汎用的に適合するペプチドや免疫補助剤を発見し、これらを用いた非臨床試験と臨床試験を実施しなければならないなど、長い時間と膨大なコストがかかることが課題となっている。

 そんな課題を解決しようと名乗りを上げたのが、独自の先進AI技術を有するNECだ。ヘルスケア事業強化の一環として、医薬品開発で重要な新薬候補物質を発見するとともに実用化を支援する創薬事業を行う新会社、サイトリミックを設立した。サイトリミックの担当者は設立の経緯と今後の展開を次のように話す。

「NECは、最先端AI技術群『NEC the WISE』の1つとして、機械学習と実験を組み合わせることにより、短期間かつ低コストで、ワクチン候補となるペプチドを高効率に発見できるNEC独自の免疫機能予測技術を有しています。NECは本技術を活用し、2014年からの山口大学や高知大学との共同研究および山口大学における臨床研究を通じて、肝細胞がんや食道がん等の治療に効果が期待でき、かつ日本人の約85%に適合するペプチドを発見しました。

 今後サイトリミックは、NECが発見したペプチドを主な有効成分とするワクチンについて、治験用製剤の開発、非臨床・臨床試験、製薬会社との事業化検討などを行い、新たながん治療薬としての実用化を進めます」。

 NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進していることで知られている。今回のヘルスケア事業への進出で、先進ICTや知見を融合した人々がより明るく豊かに生きる社会の実現を目指していってもらいたい。

■サイトリミック
http://www.cytlimic.com/