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バイオテクノロジーの最前線? 大学ベンチャー企業「フレンドマイクローブ」設立

August 3, 2017

 名古屋大学 大学院工学研究科 生命分子工学専攻の堀 克敏教授は、国立研究開発法人 科学技術振興機構による研究成果最適展開支援プログラム「A-STEP」の成果を受け、名古屋大学発ベンチャー企業、フレンドマイクローブを設立した。

 代表取締役には、日本のバイオベンチャーの草分け的存在である医学生物学研究所を、創業時代より経営者として率いて上場を果たし、国内、海外で事業を展開する西田克彦氏が就任する。

 フレンドマイクローブが展開するのは、驚異的な油分解能力を有する微生物製剤による排水処理事業だ。この製剤は、食品工場などの油含有量の高い排水の処理に適しており、従来の加圧浮上分離装置を低コストで代替可能にする。油そのものを微生物により分解消滅させるので、悪臭の軽減や油分汚泥発生量の大幅削減が見込まれており、すでに大手化学メーカーからも大きな注目を集めているのが将来性の高さをうかがわす。

 堀教授は、「研究を通じ、微生物を使って環境を制御するバイオコントロールの理論を構築しました。本理論は、共生微生物フローラの形成と安定化に関するものです。理論に基づき、上記微生物製剤のパワーアップはもちろん、様々な排水、汚染環境、廃棄物、悪臭の浄化に高い効果を発揮するバイオ製剤の開発が可能になると考えられます」と、その可能性を高く評価している。

 すでに堀教授は、第二、第三のバイオ製剤の開発に目処をつけており、ベンチャー企業において早期の商品化を目指しているそうだ。

 近年の科学技術の急速な進展と、それが実現した現在の私たちの生活は豊かになったが、自然、環境に大きな負荷をかける事実を無視することはできない。フレンドマイクローブの取り組む技術開発がシームレスに社会実装へつながっていくことを期待したい。

■名古屋大学 大学院工学研究科
http://www.engg.nagoya-u.ac.jp/