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出版業界が激震? ベストセラーを予測するAIを備えた出版プラットフォームが登場

November 9, 2017

 ベルリン(ドイツ)で2015年に開設された「Inkitt」は、世界初のオンライン出版プラットフォームだ。

 Inkittはライター向け/読者向けのサービスからなる。ライター向けには小説を無料で投稿できるプラットフォームと、読者からのフィードバックを受け取れるフォーラムなどの提供に加え、特定のジャンルを対象としたコンテストも開催している。

 一方、読者登録にはGoogle/Facebookアカウントとの連携、もしくはメールアドレスによる認証が必要だ。ライターの投稿作品を無料で購読できる他、レビューの投稿や、気に入った作品を各SNSでシェアすることもできる。

 既存の出版サービスと決定的に異なる点は、Inkittがベストセラーとなりうる作品の選出を、編集者の手ではなくAIにより判断していることだ。

 その基準は、作品ごとの読者滞在率や、滞在時間を指標として数値化することで決まる。例えば、読者が徹夜して(のめり込んで)読んだ場合、その作品は高い評価となり、時々休憩しながら読んだ場合にはあまり高くない評価が与えられる。

 人気があると判断された作品に対しては、Inkittが電子書籍やオーディオブックなどの出版契約、ライセンス販売などを持ちかける。Facebookアカウントは読者の年齢層とも紐づけられており、こうしたデータもマーケティングに非常に有用となりそうだ。 Inkittは、小説の出版サービスを始めた2016年以降、22冊のベストセラー小説と、16人のヒット作家を生み出すことに成功したと主張している。 創業者のAli Albazazは「『ハリー・ポッター』(J・K・ローリング作)は12回、スティーブン・キングの『キャリー』は30社の出版社から断られた。編集者の主観ではなく、エンゲージメントなど統計上のデータから客観的にベストセラーを判断できるのではないかと考え、誰にでも平等にチャンスが与えられるプラットフォームの開発に着手した」と語る。

 InkittはFrontline VenturesやSpeedinvestから、シリーズA段階で390万ドルの資金を調達している。

■Inkitt
https://www.inkitt.com/