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これが未来のクリーンエネルギーファーム? ソーラー発電を活かした都市型農業が登場

January 25, 2018

 FAO(国際連合食糧農業機関)による報告書によれば、2050年に世界の総人口は97億人にも達するという。この事態に対応するためには、2012年水準よりも50%多く食糧、飼料、バイオ燃料などを増産する必要がある。

 こうした状況の中、注目を集めているのが、室内での食糧生産。気候や天候に左右されることなく作物を生産できること、耕作に不向きな荒地を食料生産の拠点化可能であること、無菌環境を作ることにより殺虫剤の散布料を最低限に抑得ることができることなど、そのメリットを挙げればきりがない。

 しかしその反面、多くのデメリットも存在する。その一つがエネルギー消費の問題だ。生産管理に使用するAIや農作業ロボットなどを動かすためには、どうしても電力が必要となってくる。人類を救ってくれるかもしれない屋内食料工場も、大量の燃料を消費することで、別の角度から人類を危機に追い込んでしまっては意味がない。

 もちろんこうした問題を解決していこうと言う動きも数多くある。例えば植物の生育に必要不可欠な光については、人口の照明に頼ることなく、効率的に採光した太陽光をプリズムを使って増幅するなど、すでに室内での食糧生産の現場には、様々な形でエコロジーの視点が取り入れられている。このほど米フィラデルフィア市で創設された屋内農場「Metropolis Farms(メトロポリス・ファームズ)」は、その先端を走る存在と言えるだろう。

 この農場は、およそ0.93ヘクタールと面積こそ小さめながら、通常の農地267ヘクタール相当の作物を収穫することが可能。工場には2,003枚の太陽電池パネルを備えており、必要な全ての電力をソーラー発電によってまかなっている。また水回収技術、再生可能エネルギー生産、先進的エネルギーシステムを駆使して、炭素排出ゼロを目指して行くというから驚くではないか。

 同農場の狙いは、地域の食料自給率を上げることなのだとか。実はフィラデルフィア市には、伝統的に農作物を栽培するための土地が少なく、今の所、農地は8エーカーほどしかない。そこで始まったのが、耕作に向かない土地を農地化することが可能な室内農業というわけだ。

 メトロポリス・ファームズでは、11月からトマト、イチゴ、レタス、ハーブ、ブロッコリーなどを栽培しているという。シミュレーション通りの収穫量を確保できれば、世界中で地域や気候に関係なく、食料を生産することが可能になる。もしかする世界から飢餓が根絶される第一歩なのかも?

■Metropolis Farms
https://www.metropolisfarmsusa.com/single-post/2017/09/29/The-Worlds-First-Solar-Powered-Indoor-Farm-Is-Happening-In-Philadelphia