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VRのカジュアル化が鍵! 最先端のVRクリエイターが語るVR市場とマネタイズの今

April 5, 2018

 京都イオンモールでVRクリエイターたちによる講演がおこなわれた。講演内容は「VIRTUAL AND LIFE」をテーマとした"VRのこれから"について。

 講演では日本のVRムーブメント先駆者・GOROman氏による『VR/MRテクノロジーがもたらすこれからのエンターテインメント』を中心に、VRクリエイターらによるさまざまなトークが披露された。

■止まらないVRの波、経済活動のバーチャル化も後押し

 GOROman氏は10年前よりニコニコ動画にVRシステムを投稿し、2013年には初音ミクと暮らす「Mikulus」の前進となるアプリを開発するなど、VRの普及活動を積極的におこなってきた。そして2014年には「Oculus Japan」の立ち上げに携わり、2016年までOculusVR社の親会社であるFacebook日本法人社員として勤めた。

 そのGOROman氏は講演で、「VRのムーブメントはもう止まらない」と示唆し、理由のひとつに、VRの普及のみならず日常生活のあらゆるもののバーチャル化が進んでいることを挙げた。例えば中国にはSNSに投げ銭のボタンがあり、ユーザーが「いい」と思ったクリエイターに簡単にお金を還元することができる。

 また、エストニアにはネット上から誰でもエストニア人になれる世界初の電子政府・バーチャル国家「E-Residency」が存在する。このためネット上からエストニアに会社を作ったり、「E-Residency」を通してネットバンキングを活用したりといったことが可能になる。決済手段が国外にも広がることで、VRクリエイターたちは収益を上げることも難しくなくなるというわけだ。「経済活動の面でバーチャル化が進めばクリエイターに投げ銭をするなどの支援ができ、クリエイター活動がさらに発展していけばおもしろい」と、GOROman氏はVRのマネタイズについて語る。

 さらにVRの今後に関しても「VRが便利で、生活しやすいものになる必要がある」と言及。VRの快適度の向上や幅広い層に向けてVRのカジュアル化が必要だと述べた。

■漫画・アニメ文化を持つ日本にはVRが広まる土台がある

 この講演では他にも3名のVRクリエイターたちが登壇。VRプロダクトの企画・開発をおこなう株式会社Synamon代表取締役CEO・武樋恒氏は、自社が手がけたVR空間構築ソリューション「NEUTRANS」を、株式会社パソナ・キャプラン株式会社が開発した「VRおもてなし研修」に導入した例などをあげ、VRが浸透するには課題があるが、同時に日本には普及する土台があることを語ってくれた。

 武樋恒氏によると「日本には、ドラえもんの四次元ポケットやひみつ道具などの概念があるため、未来技術への共通認識がある。VRで漫画やアニメの世界に入ることや、想像したものを創造することなどへの土台がすでにある」という。

 また、Kolor公認エキスパート・トレーナー北村琢氏は360°VRの仕組みや、普及事例として「腕をなくした人の現失症状をヘッドマウントディスプレイを使用して治療する」、「欧米では学校から家が遠すぎて通いにくい子どもたちに360°VRを使用して教育機会を平等に与える取り組みがある」などを解説してくれた。

 講演の最後には、世界初のVRアーティストであるせきぐちあいみ氏によるVRアートも披露された。せきぐちあいみ氏は自身の活動から「VRに関して一般人であっても自分のようなVRアーティストとなってVRの仕事をすることもできる」と解説。さらにVR以外にもMRという現実と仮装を複合する技術が登場したことで、今後ますます一般人にも受け入れやすくなり、VR市場がどんどん発展していくと締めくくった。

 果たしてVRはどこまで成長をとげるのか。今後も目が離せない業界となりそうだ。

■KYOTO V-REX
http://crossmedia.kyoto/kyoto-vrex/