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脳の電気信号を音に変換!「脳の聴診器」で発作の初期兆候を検出可能に

April 25, 2018

 心臓など、臓器の異変は聴診器を使うことで検知できることがある一方で、脳や脳波の異常については、従来まで音による察知が難しかった。しかし、これも過去の常識になりつつあるようだ。

 スタンフォード大学の研究者チームは、脳から発せられる電気信号を音に変換して、診断などに役立てられる「脳の聴診器」を開発したと発表。開発したのは脳神経学を専門とするジョセフ・パーヴィジ教授と、音楽教授であるクリス・チェイフ氏との共同チームで、検出は医学生や看護師でも可能で、専門的な知識は不要だという。

 これまで、てんかんの潜在性発作の多くは予測や検出が難しく、治療しづらいという課題があった。パーヴィジ教授によると、「全ての発作が、激しい痙攣などの症状を伴うとは限りません。特に、集中治療室の入院患者に限定すると、起こす発作の90%は潜在性発作となります」とコメントしている。

 共同チームは脳波パターンを音波に変化させ、てんかんの発作を検出する方法を研究してきた。革新的なアイディアのきっかけになったのは、チェイフ氏の研究内容だ。

 彼は、気候変動のデータやトマトが排出する二酸化炭素など、あらゆるデータから合成音声を作る研究をしていた。同じように、人の脳波から合成音声データの作成を試みたところ、潜在性発作の初期兆候を検出できたという。

 研究データによると、初期兆候の検出精度は通常であればせいぜい50%に留まるのに対し、脳聴診器を用いた実験では、95%以上という非常に高い確率での検出に成功したという。研究結果については、3月21日付で学術誌「Epilepsia」に掲載された。

 異なるジャンルとのコラボレーションや偶然によって、革新的な発明がもたらされることは、これまでの歴史上何度も起こったこと。その意味で、今後のてんかん治療にとって大きな進歩となる可能性があると言えるだろう。

■Stanford University
https://news.stanford.edu/2018/03/20/brain-stethoscope-listens-silent-seizures/