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手に貼り付けるモニター? 電子回路を皮膚にプリントする技術に医療業界が注目

May 17, 2018

 近年ウェアラブルデバイスが目覚ましい進化を遂げているが、 ミネソタ州立大学が開発したウェアラブル技術は一味違う。すでに組み立てられた回路を装着するのではなく、なんと皮膚に直接回路をプリントしてしまうのだ。

 この技術では、銀フレークでできた回路を利用し、極薄の3Dプリント基板を皮膚に直接プリントするという仕組みを採用。兵士の皮膚にプリントすることで戦場での化学物質の検出や、負傷した皮膚への生体細胞移植などの用途も検討されている。

 技術面での主な重要点は2つ。1つはプリント中の細かな動きに対応していること。台座が固定されている3Dプリンタと違い、プリント対象物が生き物のため、呼吸や拍動による細かなブレに対応する必要がある。しかし、同技術ではマーカーが手の動きや輪郭をスキャンするため、プリント中の細かな動作に合わせてプリントすることが可能なのだとか。

 もう1点の大きな特徴は、インクとして用いる銀フレークが常温で硬化することだ。通常、3Dプリンタの材料にはABSなどのプラスチックを高温に熱して用いるが、これらと比べ大幅に低温で硬化するため、皮膚へのプリントが可能となる。

 なお、回路の取り外しは水で洗うか、ピンセットで取り除くかで簡単に行えるとのこと。

 こうした技術は400ドル(約4万3600円)以下の安価なプリンタで利用でき、戦場にポーダブルタイプのプリンタを持ち込み、現地で印刷することも可能になるという。研究結果は、「Advanced Materials」に掲載済みだ。

 ウェアラブルデバイスの進化はいまや日進月歩といえる。今後も革新的な技術が登場してくることは間違いないだろう。

■University of Minnesota
https://twin-cities.umn.edu/news-events/researchers-3d-print-electronics-and-cells-directly-skin