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最強のクリーンエネルギーとなるか? 水をベースにする蓄電池を開発

May 28, 2018

 スタンフォード大学の研究チームが開発した、水をベースとするマンガン蓄電池が話題を呼んでいる。

 プロトタイプとして製作された電池の大きさはわずか3インチ(約7.6センチ)。現時点では20ミリワット時を発電可能で、これはキーホルダーに使用するLED電灯と同程度だ。将来的には10年程度の寿命と、1万回程度の充電に耐えうる工場用規格を目指す予定だという。

 電池の発電原理としては、乾電池や肥料、紙の生成など多目的に用いられる硫酸マンガン塩と、水との可逆的な電子交換反応を用いている。

 風力発電や太陽電池のメカニズムを研究するため、蓄電池のプロトタイプを電源に接続したところ、電子は硫酸マンガンと反応して水に溶け、二酸化マンガン粒子が陽極に付着した。

 余剰電子は水素ガスとして泡立ち、エネルギーを貯蔵。この水素ガスを電源として、消耗した蓄電池を再接続すると、陽極に付着した二酸化マンガンが水と結合し、硫酸マンガンが復活。再利用可能な電池開発へと繋がったという。

 こうした電池が目指すのは、発電に費やす炭素排出量の削減だ。現在アメリカの70%を占める石炭発電や天然ガス発電の割合を縮小し、風力や太陽光発電への移行を促すことを目的としている。

 同大学教授であり、ノーベル物理学賞受賞者でもあるSteven Chu氏は、「設計と開発にまだまだ改良を要しますが、今後これらの実験結果は低コストで長寿命、かつ実用化に耐える電池の開発へと至る鍵へとなりうるでしょう」と語る。

 なお、研究論文は4月30日付けでエネルギー専門学術雑誌「Nature Energy」で発表済みだ。

 雨天に対応した太陽電池など、様々な技術革新が進む次世代電池。IoT/5Gの一般層での利用増大とあわせ需要が増大し、今後大きなトレンドとなる可能性があるといえるだろう。

Stanford University
https://news.stanford.edu/press-releases/2018/04/30/new-water-based-e-energy-storage/